金柑の木が南東側にあります。
日当たりも悪いし、実が採れるわけでもない高さなので切ったら
瑞穂のやばいばあちゃんが切り口に塩をぬりました。
普通は考えられん仕打ちなので塩を払い落し、少し調べれば・・・
おさんぜんさんとかたちの木
本人に害があるならどうでも良いですが・・・
墨汁とか
ロウとかそれなりの方法があるはずです。
川上のいっち上の家の裏に、あたりが薄暗うなるほど枝を張ったかたちの木ぃがあって、その下いこんまい祠があって、のぞいてみると五つ六つの五輪さんが祀ってある。
その塚を”おさんぜんさん”ゆうて所の人はあがめとる。
むかしはそうとう大けな木じゃあったそうで、木ぃの下は広い影がでけて子供のえゝ遊び場になっとったそうな。
ある年の事、木ぃにぎょうさん毛虫がわいて、気色悪いし影にはなるし・・・・・・で、おばあさんは腹をたてたて切ってしもた。
「切り口に塩をぬると芽ぇがでてこん。」
ゆう事をきいたおばあさんは、
「のちのち生えてこんように。」・・・・・・と、塩をいっぱいすり込んだそうな。
その夜のことじゃった。六歳になる子ぉが
「苦しい苦しい息がでけん。」ゆうて苦しみだした。
誰にみせてもなんのからか、(せいか)かいもくわからんかった。仕方がなしにおばあさんは拝みやさんにみてもろた。ほたら、
「かたちの木ぃやそのあたりは”おさんぜんさん”の遊び場で木ぃ切ったんで”おさんぜんさん”が怒ってお前の子に罰をあてとるんじゃ。」とゆうた。
それを聞いたおばあさんは、切り株を真水で、ていねいに洗い流し、その横い、こんまいお宮を作って一心に祈ったんじゃと。
ほたら、不思議に株から芽が出てきて、子供の病もケロッと治ってしもたんじゃそうな
近所の人は、盆や彼岸には必ず詣っていって、”おさんぜんさん”の霊をなぐさめとります。